寒蘭とは?
寒蘭は寒い時期に咲くため『寒蘭』と呼ばれています。
学名はCymbidium kanranで高知県出身の牧野富太郎植物博士により命名されました。
産地により土佐寒蘭、日向寒蘭、紀州寒蘭等に分類されています。
葉、新芽、花芽、花のすべてが鑑賞の魅力があり四季を通じて楽しむことが出来ます。
寒蘭の花
洋蘭等のような派手さや華やかさはありませんが、空間やバランスに優れた美しさがあります。
また、寒蘭の持つ上品な香りも人気の一つで、1鉢では微量ですが、開花した数鉢を玄関などに入れておくととても良い香りがします。
成木(3〜4条立ち)程度になると8月後半頃より花芽を見せ、10月〜12月頃に開花します。
花色は桃系、赤花系、黄花系、白花系、青花系、更紗系の等の系統が有ります。
寒蘭の葉
寒蘭の葉姿は東洋蘭の中でも最も美しくすらりと伸びた光沢のある葉は、
花が無くてもそれだけで観賞価値の高いものです。
その葉の形や大きさで多くの変化が見られ、 それぞれ名称がつけられています。
また、葉に現れる変化を”芸”(げい)といい、芸の入った固体を”柄物”(がらもの)といって珍重されています。
芸よって名称がありますが、鮮明な物ほど高級とされ、また芸が2、3種類 入っているといっそう価値のあるものとなります。
柄物の代表品種をご紹介。
芸は紺覆輪、中透け、縞の三芸。
柄の固定度が高く、栽培も比較的容易な品種。
芸は白覆輪、紺爪、縞の三芸。
寒蘭の展示会
寒蘭はただ咲かせるのは簡単ですが、その姿を美しく安定させて咲かせるのには難しい植物です。
花の発色・花姿の本質を引き出すには寒暖の変化(温度・湿度)や光を工夫するなど、技量を必要とします。
その技量を競ったり、新種の蘭が展示される寒蘭の展示会が毎年11月に開催されています。(新芽会は7月)
名人の作る蘭はやはり見るものを魅了し、ひな壇に上る蘭は迫力が違います。
是非、寒蘭を栽培される方は展示会への出展・参加をして頂ければと思います。
栽培の魅力
寒蘭の栽培は基本を守ってしっかり愛情を注いでやれば元々生命力の強い植物ですので育ちはしますが、『花色も葉姿も良いものにしたい!』と育てるのは根気と研究のいる植物です。
もちろんその花の性質もありますが、水のやり方、光量の取り方、風の当て方、温度、湿度など、良く育ち良い色を出すための工夫が必要で、 寒蘭愛好家の方々でも、やはり人それぞれ栽培方法に違いがあり自分独自の育て方で美しい花を咲かせた時は何事にも変えがたい喜びがあります。